立夫文庫のブログ

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☆名家に生れた親鸞はやがて身分制度から来る貧富の矛盾を感じて新たな仏門を開いて行きます。

           題名:親  鸞 一二三巻
            整理番号:E-03
            ジャンル:人伝         
            著者:吉川英治
            出版社:講談社


内容・感想:
浄土真宗の祖始 親鸞は幼名を十八公麿(まつまろ)
云いました。
京の都のはずれ、日野の郷に、藤原有範を父とし、
吉光御前を母として生まれました。


平安末期のお公卿さんは生活にずいぶん窮していましたが、
それでも藤家の生まれと云うことで、十八公麿も
血筋としてはよかったわけです。
母も熱心な仏教信者でありました。


牛若丸が鞍馬山に預けられていた頃の事ですから、
世は清盛の天下でありました。
九歳の時父を失い、伯父の範綱に連れられて、
青蓮院の慈円僧正のもとに預けられ
得度して範宴小納言と名乗りました。
        
 その後、元天台座主であった慈円僧正のコネで、
叡山にて修行を始めます。
熱心な修行を経て若くして少僧都という高い位を戴き、
聖光院の門跡となります。


しかしながら、政治がらみの僧門は仏法の本来の姿から
大きく外れており、彼は真実を模索するようになります。
そんな折り、迷いに迷える仔羊はラッキーにも
イメージの人゛法然゛に巡り会います。
即、入門してやがて高弟となります。


天台宗や真言宗からみると、念仏宗なんぞは当時、
新興宗教であるからして、広まって行くにしたがって
政府の弾圧にあうようになります。


そしてついに法然ともども流罪に処されます。
善信(と改名)は雪の中、新潟に遠投となり、
その後、関東平野に移動して行きます。
そこで、彼の名言をひとつ・・・


”魚は河に棲んでいるのに 河の大きさを知らず、
     人も人の中に居ては 人の姿は見えない”