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☆江戸時代の医学用語で「消渇(しょうかち)」とは何~んだ?

 題  名:大江戸ドクター
    整理番号:B-52     
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成27年 76才  
            著  者:和田はつ子
            出 版 社:幻冬舎


 内容・感想:
私はこの書を、小冊子「日本橋」で見つけました。
著者が吉行淳之介との対談している記事を読んで、
彼女の存在を初めて知りました。


彼女は今62~3歳で、まだまだバリバリと
書いてるようです。
時代背景は、幕末の頃、アメリカのペリーが
浦賀に来て、幕府と通商条約を結んだ頃です。


ドクター克生こと里永克生 (さとながかつき)が、
横浜の外人居留地で西洋医学を学び、
江戸で庶民の難病を次々と治すという、
ある意味痛快なお話です。


出てくる医学専門用語、それも江戸時代に
使われていた用語がポンポンと出てきます。
曰く、「愛宕下で開業している三枝玄斎は、
労咳、中風、霍乱、消渇等の治療を得意とする
本道の医者である・・・・」。(85P)


因みに、労咳とは結核、中風とは脳溢血、
霍乱 (かくらん)とは内臓各処の激痛、
消渇(しょうかち)とは糖尿病のことです。


文中、大村益次郎なども登場していますが、
当時憂国のために奔走していた幕末の志士達の
動きをよそに、このような医道一筋に活躍を
していた人も決していない訳がなかったので
あろうかと思った次第です。