立夫文庫のブログ

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☆美人のマチャミはバナナ自身のイメージだと云うから可笑しくなりました。

            題 名:TUGUMI
    整理番号:B-30            
            ジャンル:日本文学
       読んだ時:平成16年 65才   
            著 者:吉本ばなな
            出版社:中央公論新社


 内容・感想:
作者の吉本ばななは、日大芸術学部卒の40歳。
若くして「キッチン」という著を書き、
世の賞賛を多く受け、文壇に銘記されました。


彼女の作文は、文体は勿論のことながら
現代センスにあふれ読みやすいです。
彼女の一家は、彼女が幼少の頃、
千駄木に住んでいたそうで、
その点でも親しみを持って読むことが
出来たと思います。


さて、この本のヒロインの「つぐみ」は、
生まれた時から病弱のため、親にチヤホヤされ、
結果、身勝手な性格に成長します。
しかしその容姿は、抜けるような色白の美人で
あるという。
そして、それが作者自身のイメージだというから、
僕笑っちゃいます。


小説などを読む時、登場人物のイメージ付けを
するため、自然と具体的な誰かを想定しながら
読み進んだりするものですが、
僕はこの「つぐみ」を何故か、芸能人の
久本雅美=通称「まちゃみ」を思い浮かべながら
読んでました。
「まちゃみ」はどっちかというとブスですけど・・・


「ばなな」の筋書きの作り方は、解説の安原氏も
絶賛してますが、僕もうまいと思います。
ずいぶん考えて構成しているんだろうと思います。


特に最後の部分で、体の弱いつぐみは
当然早死する訳ですが、本人、死ぬつもりで
マリア宛に手紙を書いて言いたいことをすべて
言ったけど、結果元気回復してしまった・・・
なんてことで終わらせております。


死を重く感じさせない工夫がとても粋だと思います。
今年も、芥川賞、直木賞がこないだ発表になりました。
特に、若い駆け出し作家に送られる「芥川賞」は
面白いものが多いです。
「へびにピアス」、「蹴りたい背中」、
いずれも女性が受賞してますが、今後が楽しみです。