立夫文庫のブログ

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☆「只管打座」・・ただ、ひたすら胡坐をかいて瞑想せよ。自ずと道は開かれん。

          題名:道  元
            整理番号:E-06
            ジャンル:人伝         
            著者:菊村紀彦
            出版社:社会思想社
                                            
 内容・感想:
 昨今、欧米人にも人気のある「禅」。
只管打座(シカンタザ)・・・只ひたすら座れです。
自力本願の禅宗は、1+1=2とは教えません。
座禅を組みながらも朦朧としたまんまの
奴は奴であると教えます。


道元の生い立ちに関しては定説にいまいち欠けますが、
かなり血筋は良いようです。
松殿基房公の娘を母として、西暦1200年に
宇治の木幡(こわた)に生まれます。
この娘と云うのが絶世の美女でして、
かの木曽義仲の寵愛を一身に受け、ついには義仲をして
傾城の憂きに至らしめたそうです。


しかしながら道元の父は義仲ではないようでした。
かれは二十五才の時、溌刺たる大志を抱いて宋に渡り、
師を求めて、禅宗五山のひとつ天童山に登りますが
当時の住職に失望してしまいます。


しかし後任住職となった如浄との邂逅は、
道元にとって決定的な師を得ることとなりました。
永平寺よりこのかた、現代に伝わる禅の厳しさも、
如浄からの伝承です。


道元の思想等に関しては、読者各自ゆっくり読んで
味わって下さい。
この本は“するめ”みたいな本で、なかなか含蓄が
豊富であり、もう一度機会があったら精読して
みたいものの一つでありました。