立夫文庫のブログ

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☆千葉の鯛の浦には、今日も沢山の鯛が日蓮に護られて泳いでます。

   題名:日 蓮
   整理番号:E-05
            ジャンル:人伝   
            著者:山岡荘八
            出版社:講談社文庫


内容・感想: 
釈尊が無余涅槃に入りし時より、一万年後に末世が来ます。
鎌倉時代には次々と新興宗教が出現して参ります。
そしてこれら新しいものは、従来から存在する権力の
権化と化し形骸化した宗教団体から、排撃を受けます。


日蓮宗もその洗礼を免れませんでしたが、それどころか、
時の執権に対し諌状(立正安國論)をもって痛烈に悪政を非傍し、
他宗を批判したので、蜂の巣をつついたような事態となりました。
執権は既に北条長時に移っておりましたが、
実権は表面引退を装った最明寺入道(時頼)が
ガッチシ握っておりました。


日蓮はとても肝っ魂の据った雄弁家でありましたが、
さすがの入道も理は解っても癇にカチカチ来るような事を
まくし立てられては保守的にならざるを得ませんでした。


日蓮・・・幼名を善日丸と云います。
安房の国は小湊の生まれで漁師の子。
しかし地元の豪族、東条七郎左衛門秋則に、
その聡明な天性を認められて、孫の春若の良き友として
招じられていました。


粗野な春若は、善日丸がほのかな恋情を抱いていた
渚を手込めにして自殺に追いやったりして
彼を苦しめます。
 
しかし救世の申し子はそういう事までも
目的の為の糧として乗り越えていったのです。
成人して蓮長と名乗って、在来宗教の研究のため叡山に登ります。


  ”既に説き、今説き、まさに説かん”
釈尊の教えも過去、現在、未来にわけられるのです。


多くある教典はそのどれもが正しいですが、
それらを集大成したものが法華経であります。
これぞ、まさに吾が説かんとするものであります。
・ ・・と論じて、叡山の学徒達の間に一大センセーションを
・ 巻き起こしました。
 ‥‥‥南無妙法蓮華経‥南無妙法蓮華経‥南無妙法蓮華経‥