立夫文庫のブログ

「立夫文庫」にようこそ! どうぞごゆっくりご覧下さい。
当ブログを、楽しく、為になる読書のナビゲーターとして、ご活用下さい。

☆男と女のラブゲーム・・・何か歌にもあったような内容の短篇集です。

            題名:時のカフェテラス
            整理番号:B-14
            ジャンル:日本文学         
            著者:阿刀田 高
            出版社:講談社文庫


内容・感想:
ブラックユーモアを得意としている阿刀田氏にしては、
ちょっと違ったタッチの作品です。
この本は短編ばかり、12個を集めた物。
そして、その全てに共通しているテーマが、「時」です。


昔、子供の頃にあったことを、大人になってから回想する
・・・そういうことは皆さんよく経験している事と思います。
これがこの本のテーマです。


しかし、私は違うテーマがあるように思います。
云うなれば、男と女のいろいろな☆関係、
とでも云いましょうか、
これは彼にとっては日常茶飯事なのかもしれませんから、
敢えてテーマとならないのかも知れませんが、
僕はこの本のセカンドテーマと感じます。


彼の世界では、男も女もとても惚れっぽい。
すぐに不倫が始まってしまいます。


それはさておき、面白い慣習語というか、
言い回しが二つあったので抜粋します。
『大とり、小とり、客、いろ、まぶ、ひも、
用心棒のチャリンチャリン』
これは飲み屋のホステスが、
パトロンのグレードをランクづけしている言葉です。


最高の彼は、マンションなどを買って、囲ってくれる。
これが大とり。
その後、順々とランキングが下って、
一番最後のチャリンチャリンと云うのが傑作です。
お店に来たくても、お金がなくて、なかなかしょっちゅうは
来れない、だから性がないから公衆電話から彼女に、
十円玉をチャリンチャリンと入れて、せめて声を聴いて
我慢する。


なんか、最近はやりのテレホンQ2とか云う、
10秒毎に十円落ちてくヤツを思い出させられますね。


次は、『ミアイ、レンアイ、ナレアイ』
と云う、言い回し方。
これは日常、結構使えると思います。
「君は、見合い結婚だったの」と聞かれたとき、
「いやァ、実は、ミアイでもレンアイでもなくてね、
強いて云うならナレアイかな・・・」なんて使えます。


・・・それでは、アミーゴ、頑張って生活して下さい。
アディオス・・・・