立夫文庫のブログ

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☆正に、生き馬の眼を抜くと云う現代の企業活動。その中にあって蝶のようにVIPの間を飛び回る一人の美女。

   題 名:別名は“蝶”
    整理番号:B-42              
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成20年 70才   
            著  者:清水一行
            出 版 社:徳間書店


 内容・感想:
ミッチーこと宇佐美三千代は、世界の有名企業間を飛び回り、
VIPを手玉にとる頭脳明晰な才女です。
これを称して“バタフライ”と言います。


しかし一寸彼女の捉え方には、不満を感じてます。
イタリアの女たらしのVIPに落とされたり、
日本のVIPオジンに迎合したり、
もっと高い品格を持った女にしたかったと思います。
そしてもっと妖艶な感じであって欲しかったと思います。


作者の清水氏は、企業の動きに関することには
大変精通しています。
文中登場する企業にしても、少しづつ名前を変えてありますが、
池袋の西武デパートはウェスタン百貨店、東武デパートは
オリエントデパートなどと、とても現実味があって
その点は楽しい。


今や大流行の、M&A=企業買収のテクニックなど、
勉強になることも多いです。
M&AはMergers(合併)and Acquisitions(買収)の略ですが、
そのやり方にはいろんな方法があり、
OEM提携なども範疇に入ります。
即ち、Original Equipment Manufacturingの略である
この方法とは、相手企業の製品を自社ブランドで
売り出すものです。


最近では、LBOと言う方法が出てきていますが、
これはひどいやり方で、これから買収しようとする企業の
資産を担保に支援銀行から買収資金を調達して、
乗っ取っちまうと云うものです。
LBO=Leveraged By Out、
まあ「外のものを利用する手段」とでも言う方法です。
しかしこの方法は、何も現代人のノーハウではありません。


日本ではその昔、織田信長などの活躍していた
戦国時代からある方法です。
「そのほう、見事これなる敵の大将を打ち破ったなれば、
その領地を取らせよう」などと言って、
士気を大いに鼓舞したものでした。