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☆ゲーム感覚の第三次世界大戦、バキューン バキューン。

   題名:第三次世界大戦”チームヤンキー出動”
   整理番号:D-06
            ジャンル:外国文学         
            著者:ハロルド コイル
            出版社:二見書房


内容・感想:
現在も、くすぶり続ける中東情勢、
何が発端で世界戦争が始まらんとも限りません。
そしてついにそれはやってきてしまったのです! 
場所はドイツ。
NATO諸国とワルシャワ条約加盟国は
ホットな戦いに突入しました。


バノン大尉はアメリカの最新鋭戦車部隊の
有能な隊長です。 
日頃の訓練をいよいよ実践する時がやって来たのです。
バノンは冷静沈着なる判断で、次々とソ連軍を
北に追い詰めて行きます。


まあ実際にこんな事になっては困るのですが、
優秀な武器と兵力を持つと一度使ってみたくなるのが
人情というもんです。
 
かって日本もシコシコと最新鋭兵器を開発して、
大きな過ちを犯してしまいました。
[当文庫C-03太平洋戦争参照]。
しかしながらこの本はそんな非戦論思想を
述べているものじゃございません。


戦争を一つのゲームかなんかと思っているのです。
丁度、戦争を知らない現代の子供達がゲームセンターで、
テレビ画面と、にらめっこしながら、
バキューンバキューンかなんか云いながら
敵機を撃墜してる様な感覚で書かれております。


最近の現実世界は、いい塩梅にデタントが進み、
ベルリンの東西をシャットしていた所謂”ベルリンの壁”が
壊され統一ドイツがスタート致しました。
共産主義と資本主義がヨーイ・ドンで、
どっちが優れているかやってみて、
ここに来てその差歴然となってきたのが
緊張緩和の主因だと思います。
ゴルバチョフソ連大統領が、破滅に頻した自国の経済を
なんとか救わんと、必死にデタントを進めていることが、
間接的に世界平和に貢献することとなり、
それが買われてノーベル平和賞が授与されたと云うことは
何とも傑作な話です。


でも、ドイツに限らず世界が自由主義に
融和してきていることは喜ばしいことだと思います。
願わくば、自由主義を丸ごとまねるのではなくて、
当然ながらこれに内在する欠点
(マルクスが指摘したものは現代にはマッチしなくなっている)を
カバーしながら採用することが出来ればよろしいかと存じます。