立夫文庫のブログ

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☆夏の夜空に輝くペルセウス座流星群が、今年もやって来ている。天体のロマンに目を向けて見よう

   題名:ハレー彗星の科学
    整理番号:F-03
            ジャンル:学術       
            著者:的川泰宣
            出版社:新潮社


内容・感想:
テレビで不思議な霊感パワーを使って匙を曲げたり
トランプの数字を見ないで当てたりするショーが
最近流行っている。
一種のマジックなんだろうが科学の未知分野である
テレパシーの力を使っているとか言って観客を感心させている。


そんなショーの中でこないだ、観客にアトランダムに
書かせた三桁の数字の合計が予め他に伏せてあった数字と一致し、
しかもその数字は次にハレー彗星が地球近くに帰って来る年だという。
即ち西暦2061年である。


そういえば76年周期で巡って来るこの星は昔から
地球人にいろいろとエピソードをもたらして来たようだ。
1910年と言えば明治43年だが、この時は事前に
尤らしいデマがとんで大騒ぎだったようである。
ハレーのガスの尾が大接近するとき五分間ほど地球にかかって、
空気がその間、無くなってしまうと云うものだ。


それを聞いたガリガリ亡者の大金持ちは、
自転車屋のゴムチューブとか、薬屋の氷袋を買い占めたそうだ。
それらにいっぱいの空気を詰めて、ハレーの到来を
今や遅しと待っていたが、なんと云うこともなく通過して
しまったと言う笑い話もあったそうだ。


それに比べると1986年の接近は、人工衛星を打ち上げたりして
随分と科学的に進歩している。
僕も天体望遠鏡を持ってって、千葉の館山に泊まりがけで
観測旅行に云った。
あの時は西片の後藤家の皆さんと一緒だった。
しかし、我が一生に一度のこの天体ショーの観測も厚い雲に
遮られて無念であった。
我が子孫が2061年のチャンスに、この無念を晴らして
くれるように、いまお願いしておきたいと思う次第・・・・。