立夫文庫のブログ

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☆大枚二億円を投じて長野の原野にワイン畑を作った男

           題 名:私のワイン畑
     整理番号:G-05              
            ジャンル:その他
      読んだ時:平成14年 64才   
            著 者:玉村豊男
            出版社:中央公論新社


 内容・感想:
こないだ、中央通りを日本橋から銀座に向かって歩いていたら、
丸善の四階ギャラリーで 「玉村豊男の個展」をやってるのに、
偶然出くわした。
今、読んでる本の著者はどういう男か、全然知らなかったので
覗いてみることにした。
展示品は主に静物のリトグラフ画で、なかなかうまいと思ったら、
彼の親父は、かって有名な画家だったそうである。
しかし彼は、進む道を執筆活動の方面に求めた。
著作もかなりある。


フランス留学の折、ワインの虜となり、・・・と言うより、
元来美食美飲が好きなようでそんな男が平成の始め頃、
とんでもない発想を考えついた。
小諸の辺りの東部町の在に、一町歩からの土地を求め、
そこにブドウ畑などを造って本格的な自家製ワインを醸造して、
痛飲しようというのだ。


この本は、それらの過程を、原野の開墾の段階から、
つぶさに書きとめた手記である。
何だかんだで、総額二億円に近い投資というから、
道楽もここまで来れば究極だ。


僕はこの本を通じて、二つの事に注目している。
僕もワインの好きな一人として、ワインに関する知識を
いろいろ吸収したいという事では、しかつめらしいソムリエの
教科書を読むのと違って、楽しく知識が得られるのがうれしい。
昨日、お台場でカリフォルニア産のシャルドネを飲んできた。
今度は本場フランスのカベルネソービニオンを
飲みたいな・・・とか。


しかしこの玉村さん、僕より七つ若い57歳だが、
一度飲みすぎでダウンしたにも拘わらず、
不死鳥の如く復帰してガンガン飲み且つ喰い、
馬車馬のごとく新開農場で汗を流している様は、
とても刺激を受けるし、同じ愛飲家として共鳴しながら
楽しく読ませてもらった次第である。