☆人は皆、アサッテの要素を潜在的に持っている。
題 名:アサッテの人
整理番号:G-06
ジャンル:その他
読んだ時:平成20年 70才
著 者:諏訪哲史
出 版 社:講談社
内容・感想:
昨年(平成19年)の芥川賞受賞作品です。
大変高度な文学的表現を使いこなし、われわれ凡人には
解かりづらい書き方ですが、選考委員の方々には
さぞや受けるのでしょう。
何も、いちいち文章の構成方法について、
あれこれ説明する必要もないと思うのですが、
とにかく余程注意して読んでないと訳が判らなくなります。
僕は丁度、前立腺癌の放射線療法を受けるため、
駒込病院に入院する事になったので、以前買ってあった
この本を丁度よいチャンスなので読むことにしました。
そのため静かな環境でじっくり読めたので
なんとか理解出来ました。
よく、天才と阿呆は紙一重だ、などと云いますが、
著者の叔父にあたるこの人も、とても頭の良い人なんだと
思います。
蓋し、あんまり頭が良すぎると、凡人から見ると、
非常識に見えるものなのでしょう。
作者及びその叔父の家系にはDNAの上で、
発狂しやすい要素があると思われます。
そもそも、この本の題名にある「アサッテ」の意味は、
凡人に理解できない、突拍子も無い事を考え、口走る、
或いはそれを行動に起こす人のことを云っているのです。
文中、大ビルのエレベーター管理を仕事でやっていた叔父が、
そのモニターテレビに映る搭乗者を観察する場面があります。
人は誰にも見られていないと思うと、思いっきり自由な行動を
取るものです。
そんな時の人を指して、「アサッテ」的だと言います。
普段、人の中では、普通に行動している人でも、
潜在的に「アサッテ」の要素を持っているものです。
なるほどなあと思います。
あー、僕もポンパって来た・・・・・。
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