立夫文庫のブログ

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☆人間はバイ菌を嫌って排除しようと思ってはいけない。人の数より遥かに多い彼らと仲良く共存すべきなのだ。

     題 名:恋する寄生虫
    整理番号:F-08              
            ジャンル:学術
      読んだ時:平成14年 64才   
            著 者:藤田紘一郎
            出版社:講談社+α文庫


 内容・感想:
藤田先生は、僕より一つ年下の、昭和14年生まれの
63歳であす。
御茶ノ水の外堀端に聳える、東京医科歯科大学の
大学院教授です。


人が嫌がる、誰でも絶対好きになれない、そんな下痢便を
顕微鏡で覗くのが、先生は大好きだと云います。
そうなのだ、それを忌避しているようでは何も発見できないし、
何の研究も進まないのです。


人間を取り巻く環境には、小さな虫たちやら、微生物が
ウヨウヨいるのです。
そして、それぞれが自分等の環境の中で活発に生きてます。
人間にとって益になるばい菌もあれば、わるさをする菌もあります。


先生は雄弁に語ります。
戦後のある時期から、日本人は清潔になり過ぎたと言います。
例えば、おトイレにしても、汲み取り式のものが、
かっては一般的で、農村ではその溜まった物を
畑の肥やしにしていました。


しかしそれは不潔だという事で、水洗トイレになり、
作物には化学肥料を使うようになりました。
さらには、お尻にぬるま湯を噴射するウォシュレット式トイレが、
最近では一般化して来ております。
でもこれは、肛門を守備している、良いばい菌をも一緒に
洗い流してしまっているのです。


また曰く、口臭、体臭など、動物各自のアイデンティティーを
主張しているニオイを、最近の人は一生懸命、消しにかかっています。
無味無臭の味気ない人は、きっと犬なんかから言わせると、
「バッカみたい」と言われそうです。


その一方で、人は、普通のセックス行為に飽き足らず、
いろんなバラエティーを楽しむようになってきているようですが、
これはあまり感心しないことなのです。
例えば、オーラルにより、普通感染しないようなばい菌やら虫たちが、
口を通じて消化器系の体内に潜入するのです。


もっと困った問題は、同性愛者が増えつづけていることです。
彼らはオカマでセックスするので、
いろいろ従来考えられないような病気が発生します。
あの恐ろしいエイズも、彼らが造り出したものらしいのです。


もっとも、先生に言わせると、同性愛は本人たちが悪いのではなくて、
生理学的に胎児期にちょっとした、アンドロゲンホルモンなるものの
噴射を浴びる度合の差で、体は男なのに、脳は女・・・
なんてことになる可能性があるんだそうです。
そんな時、生まれて来た男は、どうしても女を好きになれず、
同性愛に必然的に走ってしまうのだそうです。


しかしそれは止むを得ないなんて、呑気なことを言ってる
場合じゃありません。
皆さんは中国の「ブタトイレ」なるものをご存知でしょうか。
かの国には古く、合理性のもとに、ブタトイレなるものが発明され、
人のトイレがブタ小屋の隣に造られており、排泄物が自動的に
ブタのえさ箱に流れ込むようになっておりました。
それを餌にして、まるまると肥えたブタを人が食する。
とても合理的じゃありませんか。
中国にはこんなトイレが現存するそうです。


ところがブタに寄生する、有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)
というやつの、特に虫卵はしまつが悪いのです。
人間がブタを食べることにより、虫卵は人体のあちこちに入り込み、
幼虫に孵ります。
人間の皮膚の下で孵ると、全身ぶちぶちのイボ蛙みたいに
なります。
循環器から脳に至ると、アホになったり死んだりもします。


こんな病気は過去のものかと思ったら、アナルを使うホモ達が
盛んに復活させている現実があるようなのです。
ほんとに困ったことだと思いませんか。


まあ、その他、興味深い記述が後を絶ちませんが、
このかけがえのない地球上で、人間は自分等が一番偉いなんて、
うぬぼれていないで、ばい菌さん達と共存共栄を図ったほうが
得策だと云う気がしませんか。
  
何故なれば、地球全体の歴史から見ると、そもそも地球は
ばい菌さん達の棲み家なのですから。
下手に威張ってばかりいると、最近の若者などは、
精子半減現象(*注)が起きているそうで、
一層の少子高齢化が促進され、ひいては人類衰退に
繋がりかねません。
それでは、この辺で失礼・・・


(*注)精子半減の原因は、現代社会の各種ストレスに
よるものと、環境ホルモンなどが考えられます。