☆心のコントロールをして、滅入った気持ちを立て直しましょう!
題名:凹の時代
整理番号:F-14
ジャンル:日本文学
読んだ時:平成10年 60才
著者:中沢正夫
出版社:筑摩書房
内容・感想:
著者は精神科の名医。
でも、彼も僕らと同じ人間でした。
僕より一つお兄ちゃん。
日々の凹の仕事ストレスにさいなまれ、
ときどき気分転換に脱線する。
だからこの本を読みながら共鳴し、そして安心します。
ごく普通の人間でも、欝病になります。
(欝の文字は難しいので以下「うつ」と書きます)
通常、うつと躁(そう)を交互に患います。
躁の状態の時は、気が大きくなっていて、
うまくすると素晴らしいアイディアが浮かんだりします。
社会の様々な外圧により、心が歪められた状態の凹。
昔よりも文明の進歩によって、現代人のほうが
凹になり易いのでしょうか。
現代人が勝手にそう感じているだけで、
昔人と比較しようもないけど、凹を跳ね返すエネルギーが、
気分転換によって自然の中に体を投入することで、
とても有効な手段だとすれば、昔人よりも現代人のほうが
環境に恵まれていないと思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
81頁あたりにちょっと興味深いことが書いてあるので、
ピックアップしてみました。
中沢先生自体、人の目を気にするタイプだとお
っしゃっていますが僕もそう思いました。
それはゴルフの時です。
練習場で、隣の打席の人の視線が気になります。
特に後ろ隣の人。
後ろの人が小休止のため椅子に座ったりすると、
今までちゃんと当たってたボールが、急にミスりだします。
もっと酷いのが、ほぼ慢性的なパット病です。
わずか50センチのパットが、
周りで見られていると云う意識があるだけで、
どうしてもヒット出来ず、ビビンバになっちゃいます。
家で何十回練習しても、その時はスポスポ入るのに
・・・ほんとに不思議な精神現象だと思います。
だから、よくコースで昼食時にお酒を呑む。
すると、途端に気分がほぐれて、
午後からはナーバスが解消します。
しかしながら最近肝臓のデータが悪くなって来て、
医者からお酒をセーブするように言われているので、
この解消法も思うに任せず、困ったものと思ってます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
160ページあたり、同感!
「日本は本当に先進国と言えるか」と云うこと。
∞ ∞ ∞ ∞ ∞
226~228頁・・・裏と表に就いて・・・
裏表のある人間…と云うと、よくない表現に使いますが、
果してそうでしょうか?
動物には確かに裏表はないようです。
これは、万物の霊長たる人間の、
人間らしさの顕著なことの一つではないでしょうか。
それが人間の味のあるところであり、抑揚であり、
魅力である・・・と思いませんか。
世阿彌も云ってる
「秘すれば花、秘さざれば花ならざらん」と。
♂ ♀ ♂ ♀ ♂
261頁あたり・・・
精神科医と云うのは、人の心の中を探ることから
治療の糸口を、先ず見つけていきます。
この中沢先生は本をよく読む人なので、
その辺を利用して患者の精神分析に役立てているようです。
その人が今までにどんな傾向の本を読んできたかを、
知ることにより話も合わせ易くなるし、
親しみも増すと云うことです。
更に大げさに云うなら、その人の思想、感化の受け方なども
想像がつくかも知れません。
しかしながらこの論法には自ずと限度があります。
この世の中、本をよく読む人種ばかりではないからです。
カンツリークラブばかり回っていて、練習場に行ったことがなくて、
それでいて上手なゴルファーもいますからね。
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