立夫文庫のブログ

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☆ジキルとハイドは、マジに存在する・・犯罪を犯してもセーフになる。

            題  名:プリズム
            整理番号:B-55       
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成28年 77才   
            著  者:百田尚樹
            出 版 社:幻冬舎文庫


 内容・感想:
昔なら、単純に気違い扱いされてお仕舞いに
なったでしょうけど、現代の精神医学では、
「解離性同一性障害」と云う立派な病名が付いた病気です。
往々にして、幼児の頃、親からの虐待により
発症する精神病らしいです。


この本はそれをテーマにしています。
岩本広志と云う戸籍上の人の心の中に、
何人もの違った性質を持つ人格が存在します。


聡子は、そんな交代人格の一人、村田卓也のことが
好きになってしまいます。
そう云う卓也だから、ホテルで逢引してたと思うと、
急に広志になっちゃったりして、話が複雑になります。


作者の百田氏は、この本のために、
26冊もの参考文献を読んでます。
題名の「プリズム」とは、よく言ったものだと思います。
降り注ぐ太陽の白色光も、プリズムを透して見ると、
色々な色に見えます。
広志も、その時々により、色々な性格の人になって
現れると言う訳です。