立夫文庫のブログ

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☆幕末の四賢候とは薩摩備前土佐宇和島の殿様・・・のお話

            題 名:酔って候
     整理番号:B-34            
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成16年 65才   
            著 者:司馬遼太郎
            出版社:文春文庫


 内容・感想:
 内容は、四編に分かれております。


一つ目の「酔って候」は土佐(今の高知県)の藩主、
山内容堂(やまのうちようどう)の半生を描いております。


二つ目の「きつね馬」は薩摩(鹿児島)の藩主、
島津久光について。


三つ目の「伊達の黒船」は伊予・宇和島(愛媛県)の藩主、
伊達宗城(だてむねなり)に関してですが、
主人公は最下級の平民、嘉蔵(かぞう)を前面に出してます。


そして、四つ目は、「備前の妖怪」藩主、
鍋島閑叟(なべしまかんそう)です。
今の佐賀・長崎県です。
以上この四人を称して、幕末の四賢候と言います。


この四人はいづれも、いわゆる世襲のバカ殿様ではなく
直の世継ぎが居なくて、ルーツをたどつて賢い人材が
抜擢された人々であります。


しかし江戸時代から明治への荒波の時期、
いかに賢い四人と雖も、維新のリーダーたり得なかったのです。
それどころか、司馬遼に言わせると、喜劇を踊らされ、
挙句の果ては藩主の座を下ろされてしまうのは宿命です。
こりゃ酔いたくも、なりマンナァ~