立夫文庫のブログ

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☆お馴染み、狐狸庵劇場の傑作です。読み出したら止まりませんョ。

    題名: 一・二・三!
  整理番号:B-06
            ジャンル:日本文学        
            著者:遠藤 周作
            出版社:中央公論社


内容・感想:
連載物でテレビドラマ化したら面白いんじゃないかと
思うような、スリルとサスペンスストーリー。  
 舞台は東南アジアに及び、彼独特の人情味あり、
チクチクと社会風刺ありで、たいへん楽しく読むことが
出来ました。


時代は昭和30年後半から40年にかけての頃か。
東大受験生の猪之介と順太郎は暗く単調な環境から、
一転して華やかにして汚ならしい社会の中に
放り出されていきます。


かっこよくて頭脳明析、しかもサル名家の血筋をひく、
通称「男爵」。
彼のリードで二人は「なんでも引受け会社」を設立します。


広告を見て、「戦地から帰らぬ兄を探して!」と
依頼してきたのが、ちょっとチャーミングな、
バーの万里子ママ。 
そしてみんなしてマレー半島に出かけて行くと言う次第。


評論家の佐川は、講演会では素晴らしいことを
しゃべってますが、私生活はウラハラの事をやっており、
とんでもない奴で、万里子ママの兄にやっと巡り会って
話を聞いてみると、兵隊の頃、とんでもない野郎だった事が
判明します。
作者の、チャラチャラした評論家を嫌うところが
よく窺えて面白いです。
そして最後に、意外な男爵の秘密が明るみに出て来ます。
それは読んでのお楽しみ・・・・