立夫文庫のブログ

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☆ホノボノとした、著者の処女作です。

           題  名:煙が消えるとき
            整理番号:B-40              
            ジャンル:日本文学
       読んだ時:平成19年 68才  
            著  者:紺野敏武
            出 版 社:京成社(自費出版)


 内容・感想:
著者の紺野氏は、僕の親友の永井君の知り合いです。
そして、いずれも昭和13年生まれの68歳です。
紺野氏はこの本が小説を書いた処女作です。


ロマンスとノスタルジィが適度に交じり合って、
とてもフレッシュな短編に纏め上げられてると思います。


でも、彼は五年前に愛妻と死別しています。
この小説に書かれている佳代ちゃんです。
読んでいて、彼女の描写を大切に心を込めて書いているのが、
よく解ります。
僕も浜町に事務所を持ってるので、昭和37年頃の
水天宮、中州辺りの情景にすごく興味が湧きました。


勿論、お化けエントツや、庶民の足であつた都電などにも、
とても興味があります。
次々に無くなっていく思い出の情景に、幻滅感を感じて
いるのは僕らだけではありません。


僕の事務所のお隣のお家は、カッパ摺りで有名な
森義利氏のアトリエですが、生前彼も無くなっていく
下町情緒を嘆いていた一人でした。
彼はその情景を、たくさんのカッパ摺りの作品として
残しています。


私も実は小説を書くことに興味を持っておりまして、
へたな物を書いたこともあります。
(C-09参照)


隅田川の情景を描いた作者は沢山いると言うことで、
文中列挙してますが、肝心なのが抜けてる感じ・・・
幸田文の「ふるさと隅田川」です。
以上、思いつくままに・・・・。