立夫文庫のブログ

「立夫文庫」にようこそ! どうぞごゆっくりご覧下さい。
当ブログを、楽しく、為になる読書のナビゲーターとして、ご活用下さい。

☆今年は維新150年。明治は遠くなりにけり。四迷先生の文章も昔を偲んで、一所懸命読むのも良し。

題  名:浮 雲 
             整理番号:B-63        
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成30年 80才   
            著  者:二葉亭四迷
            出 版 社:岩波文庫


 内容・感想:
四迷は元治元年1864年生まれ。
藤村は明治五年1873年生まれ。
四迷のほうが九つ年上です。
共に新しい形の小説家として云われているが、
比較してみると、僅か9才の差にも拘らず
四迷の文体のほうが古臭い感じがします。


二葉亭四迷の号は、「くたばってしまえ!」の
もじりなのは良く知られている事ですが、
正に「こんな下手糞な小説を書いて、くたばってしまえ!」
と云いたくなるような、彼の処女作です。


何の変哲もない日常の青年たちの情緒の変化を、
アアでもない、コウでもないと、煮えきれないままに
書き綴られています。
しかも最後の纏まりがなく、幽霊の如くスーッと
終わってます。


ほんとに明治の頃の若者は皆、こんなだったのかしら?
現代の若者に不甲斐なさを感じている小生としては
何れも幻滅感で読後がさっぱりしません。