立夫文庫のブログ

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☆眼の前に在る物は総て素晴らしい文学のネタにしちゃった明治の大文豪。

           題  名:夢十夜
   整理番号:B-64        
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成30年 80才    
            著  者:夏目漱石
            出 版 社:岩波文庫


 内容・感想:
この本は、漱石41才の作です。
漱石は病気のデパートみたいな人で、
生涯苦しみながらも素晴らしい作品を綴り続けました。
そして49才の短い一生を閉じました。


内容的には、数多くの散文から成っています。
最初の「夢十夜」を読んで見ると、何を書こうと
してるのかビックリするほど不明瞭ですが。
なるほど、見た夢なんだから支離滅裂なのは
尤もだと思いました。


次の「文鳥」ですが、どうも昔の人は愛鳥精神に
欠ける気がします。
川端康成もそうでした。
「禽獣」のなかで菊戴(きくいただき)と云う
可愛い小鳥を、無残な飼い方をしております。
(B-39参照)


後半「永日小品」に出て来るクレイグ先生。
このチョット変わり者の先生に、漱石はロンドン留学中
師事したことがありますが、漱石はソモソモ英語には
エラク堪能でして、Sp.He.Wr.Re.総てOK
だったようです。


その官費によるロンドン留学が、明治33年から2年間
(漱石は維新の前年生まれなので、明治33年≒33才です)
体調を崩して帰国し、明治43年には修善寺で療養生活を
送りますが、そこで死線を彷徨います。


最後に一言。
今年は明治維新から丁度150年に当たりますが。
その節目に、私は明治維新前後の書物を集中的に
読むことにしております。