☆真次は限りなく過去の幻想の世界に彷徨います。そこは終戦直後の荒れた世界・・・真次の親父の若かりし苦労している世界だったりします
題 名:地下鉄に乗って
整理番号:B-68
ジャンル:日本文学
読んだ時:平成31年 80才
著 者:浅田次郎
出 版 社:講談社文庫
内容・感想:
友人の永井君から貰った一冊です。
数々の受賞に輝く、浅田次郎の名調子に
ついつい釣られて読々と流し読んでしまいました。
一代で財を成した裕福な家庭に生れた、男三兄弟。
しかしそういう親父は兎角破れ太鼓的な人が多いものです。
その結果、長男は地下鉄自殺し、この本の主人公の次男は
縁切り家出をし、逃げ損なった三男が親の跡を継ぐ嵌めに
なり、難儀をしているという事でした。
中年に差し掛かった次男の真次が、或る夜酔ってメトロ銀座線の
赤坂見附駅の階段を昇ると、そこは何と丸の内線の新中野駅の
懐かしい町並みでした。
しかもその駅は兄が自殺した駅だったのです。
この辺から物語はタイムスリップして、Buck to the futureの
世界を繰り返していきます。
丸の内線が開通した頃は我々中学校の頃で、茗荷谷駅の近くの
中学に通っていた私は珍しさにドキドキ胸をふくらまして
乗ったものでした。
その様に、この書は我々を懐かしい過去の世界にリードして
くれます。
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