☆あのエロ爺いめぇ・・と言われて、エ・アロールと答えたい
題 名:エ・アロール
整理番号:B-51
ジャンル:日本文学
読んだ時:平成26年 75才
著 者:渡辺淳一
出 版 社:角川書店
内容・感想:
過って、フランスの ミッテラン大統領に、ある記者が
「あなたは奥さん以外の女性との間にお子さんがいる
というのは本当ですか?」と質問した時、
「エ・アロール」と答えたそうです。
エ・アロールとは「それがどうしたの」という意味だそうです。
この件はこれで終わったというから、
流石フランスのお国柄だなぁと思います。
これが日本なら大変な騒ぎになるところでしょう。
この、とても興味深い本は、友人の梅岡氏から贈られた
ものですが、今年75歳になる小生にとって、
大変参考になることが多いのです。
主人公の来栖は医者ですが、親の遺産で銀座の外れに、
彼にとって理想的な高齢者施設を造ります。
その施設の名前が、エ・アロールです。
何が理想かというと、この施設は仕事や世間の枠から開放されて、
自由になった高齢者たちが、楽しく気侭に生活し、
人生を楽しんでもらうための施設であり、しかもせいぜい
四、五千万円の入居権利金を納めれば、
一生保証してくれるというのです。
淳一君もあっさりと四、五千万円とはよく言うよ。
兎に角、そんな施設の中で起こる数々の問題を取上げながら、
ストーリーは展開して行きます。
そんな中で彼の持論である「廃用性萎縮」という事を
取上げて見ましょう。(P215~)
人間として神から授かった様々な能力、手足を動かして
スポーツをやるのもそうだし、頭を使って
ノートレ(脳のトレーニングゲーム)を楽しむのも然り。
歳をとっても、恋をしたりセックスをするのも、心の若さを
保つ上でも結構なことです。
しかしそれらの能力は使わないでいると、衰えてしまうものです。
これを「廃用性萎縮」と云います。
例えば、過って転倒して骨折し、ベッドの上で長らく
横たわったりした状態が続くと、治っても直ぐには
歩けなくなるのもそうです。
アメリカの詩人、サミエル・ウルマンの言葉に、
“青春とは歳ではなく、如何に心を若々しく保つか、である”
と云うのがあります。
勿論、その言葉には賛成だが、楽しみながら体のコンディションを
良好に保つことも忘れてはならない。
平成26年、淳一氏のご冥福をお祈りします。
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