立夫文庫のブログ

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☆金原君も今(平成29年)33才に成ってるけど、若気の至りと思っているかしら?

 題 名:蛇にピアス
    整理番号:B-32             
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成16年 65才  
            著 者:金原ひとみ
            出版社:集英社


 内容・感想:
① 親父的な批評として・・・
何だ!この小説は!!こんなのが芥川賞だって?
この世も終りだね。
だいたい日本は平和すぎるから、若者がこんな行為に
血道をあげているんだよ。


親から貰った体にあちこち穴をあけて、
何がおしゃれなピアスだぁ~。
それがエスカレートして、スプリットタンだとか、
タトゥーだとか・・・全くどうしようもないネ。


この子の親は一体どう思ってんのかネ。
だいたい、親が子供を管理できなくなってきているから、
こんなどうしようもない子供が、出来ちまうんだヨ・・・。


② 私の感想として・・・
書かれている内容はともかくとして、二十歳の女性にしては、
確かにしっかりした文章構成だと思います。


ヒロインのルイの生活環境は、一般的に見てプアですが、
彼女なりにステディーなボーイフレンドを見つけて、
幸せな日々をすごし始めていたわけです。
それがちょっとしたことから崩れて、その男が
殺されてしまうと云うショッキングなストーリーです。


まあ、つかの間の、ガラスのバブルのような、
ちょっと叩けばガチャーンと、すぐに壊れて
しまいそうな幸せなのでした・・・と言う事です。
若い時分に、新しいことに次々トライアルするというのは
良い事と思いますが、ルイのそれは、その範囲を越えて
しまっていると思います。


どうも彼女は自暴自棄になっているんじゃないですかね。
下手すると、近い将来、彼女、自殺するかもよ。
兎に角、僕ら平々凡々と日々を送っている者から見ますと、
別世界の人間と言う感がします。


ずーつと以前に読んだ、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」
以来のカルチャーショックを受けました。