立夫文庫のブログ

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☆異次元の世界での超ナイーヴなお話も、たまには好いでしょう。

            題 名:文学刑事サーズデイ・ネクスト1
    整理番号:D-17             
            ジャンル:外国文学
       読んだ時:平成18年 68才  
            著 者:ジャスパー・フォード
            出版社:ブィレッジブックス(ソニー・マガジンズ)


 内容・感想:
英国人独特の、ウィットに富んだ表現で書かれているので、
よく注意しながら読まないと何を云ってるのか解らなくなりそう。
文章のタッチは、とてもデリケートで、始め、女性作家かと思ったら、
小型ヒコーキも操縦する三十代のウェールズ出身の男性と聞いて、
びっくりした。


このお話の時代設定は、一体いつなのか?
空の主要な乗り物は飛行船であったり、ヒロインのサーズデイは
クリミヤ戦争帰りだったり・・・、でも彼女の愛用している拳銃は
オートマチックの最新型だったり・・・。
そもそもクリミヤ戦争は、西暦1580年頃、黒海の中に突き出た
クリミヤ半島の、領有権をめぐって勃発したもので、
イングランドと帝政ロシアの戦いである。


実際には3、4年で終わっており、戦勝のロシアが、
当時トルコ領だったセバストポリ港を獲得し、
ロシアにとって貴重な不凍港を手に入れられたので、
歴史に残っている。
サーズデイの伯父の発明した、文の門=プローズ・ポータル装置で、
過去の文学の世界に往来出来るぐらいだから、時代設定は別に
気にしなくても構わないと云うことなんだろう。
頭のスイッチを、高レベルにセッティングしてから、読むとよろしいかも。