☆女の魔力に溺れた、哀れな男の物語・・だが好い思いもしたんだから、マァいいか。
題名:化 身 上巻・下巻
整理番号:B-03
ジャンル:日本文学
著者:渡辺淳一
出版社:集英社
内容・感想:
「秘すれば花、秘せねば花ならざらん」
これは昔、世阿彌が彼の著書「花伝書」の中で
言っている言葉です。
つまり、あけすけな女はだめで、
奥ゆかしいところにこそ美しさがある。
主人公の大三郎は霧子のそんなところに惹かれて
深い関係になっていきます。
しかし女は魔物なのです。
やがてアンティークの店を持つに至って完全に
男はポイされてしまいます。
五十男の身上叩いての最後のチャレンジも
敢なく短期間で終焉を迎えてしまったと云う物語。
女に溺れちゃいけないよと言う、紳士方への教訓です。
この本は、多分に若いBG向けのものと思うけど、
何故僕がこんな本を読んでしまったかというと、
そのきっかけは、映画会社の東映が僕の所に
訪ねてきた事に端を発します。
山中湖にある別荘で、このメロドラマの映画撮影を
させてもらえないかというのです。
わざわざ現地まで行って打ち合わせましたが、
居間から見える富士山の手前を遮っている樹木が、
秋のイメージに合わないので切らせろ等と云うので
断わりましたが、いったいどんな筋書きなのか
興味を持ちまして、本を買って読んで見たという次第です。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。