立夫文庫のブログ

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☆「人間について」のテーマで、岡目八目。なかなか味のある対談ですよ~

            題 名:人間について
     整理番号:G-02           
            ジャンル:その他
       読んだ時:平成14年 63才   
            著 者:司馬遼太郎VS山村雄一(対談)
            出版社:中央公論社


 内容・感想:
司馬遼太郎はご存知、研究熱心な小説家。
山村雄一は天才的な医学者。
この両名による岡目八目・・・だからなかなか味がある内容です。
しかし、ちょっと凡人には高度の対話かも・・・
いまでは、お二人ともあの世の人となってしまっております。


皇太子妃の雅子さまが、待ちに待った初産。
・・・その愛の結晶は愛子ちゃん。
敬の宮愛子(としのみやあいこ)は満月の夜に産声をあげました。
(P.29参照)


正常な人間にはリズミカルなステロイドホルモンの分泌があります。
昔は、自然の中で、お日様が出ると目覚め、
日が暮れると床に就く生活がありました。


でも、現代人はリズムを狂わすことが環境の中に多々あります。
そうすると、ばか喰いして太ったり、ノイローゼに陥ったり、
ろくなことはありません。


同様に、身体が衰えて、脳軟化症になったりすると、
このステロイドホルモンが正常に分泌されなくなります。
そうすると夜中に徘徊したり、大飯くらったり
するようになります。
これを高知県あたりでは“喰い中風”(くいちゅうぶう)
と云うそうです。(P.35あたり)


通常、人は尿酸値が高くなると、痛風になったりします。
そんな人は、兎角非常にアグレッシブな性格の持ち主の人が
多いようです。
それは仕事の面でプラスに働き、優秀な人材が多い事に
繋がります。
そう云えば、小生も痛風を患ったことがあったっけ・・・。  
(P.177あたり)


男らしいとか、女性的だとか言う話のなかで、
日本の平安期に花開いた“和歌”の世界は、
どうも女性的であると言われます。
それに比べて、“俳句”はとても男性的だと言います。 
(P278あたり)


芭蕉の辞世の句、
・・・旅に病んで 夢は枯野を かけめぐ廻る・・・
これなんか、すさまじいばかりに男性的だと思います!
芭蕉は五十一歳で死を迎える時、御堂筋の花屋旅館で、
下痢に悩まされながらも、次々と男性的で
素晴らしい句を読んでおります。
・・・この道や 行く人もなしに 秋の暮れ・・・
・ ・・秋深き 隣は何を する人ぞ・・・


兎に角、このお二人の話を聞いてると、
グローバルワイドであり、
しかも縦の深みがあって面白いです。
正に、四次元のダイナミックさです。