立夫文庫のブログ

「立夫文庫」にようこそ! どうぞごゆっくりご覧下さい。
当ブログを、楽しく、為になる読書のナビゲーターとして、ご活用下さい。

☆優秀なプロゴルファーはハングリーから始まるが、赤貧の文士は如何なものか・・?

             題  名:走れメロス
            整理番号:B-50          
            ジャンル:日本文学
      読んだ時:平成25年 75才  
            著  者:太宰 治
            出 版 社:新潮文庫


 内容・感想:
富士山の見晴らしの素晴らしい場所である御坂峠、
そこにある天下茶屋に、太宰は井伏鱒二を頼って
しばらくの間、逗留しておりました。
「富士には、月見草がよく似合う」
と云った彼の言葉は有名になっております。
(P56~69富嶽百景)


P126~「女生徒」の中で、
永井荷風の「濹東綺譚」の批評を書いてる項があります。
僕は敢えて、この批評への意見は書きませんが、
30年先輩の荷風がこれを読んだら、“しゃらくせぇ”
と言ったんじゃないかと思います。


この本は、9個の短編のオムニバス形式からなってます。
「ダス・ゲマイネ」「走れメロス」「駆込み訴え」を除いて、
あとはだいたい太宰の歩んで来た道を書いています。


彼の短い人生(39歳)を読んで、率直に感じた事は、
だらしない生き方だなぁと思います。
別に僕の生き方が、彼のより良いとか、悪いとかじゃなくて・・・


一番駄目だと思うのは、直ぐ死んでしまって
苦痛から逃れようとする安易さが常に心の中にあることです。
行き詰ると、直ぐ自殺、それも女を巻き添えにして・・・。


彼の実家は、金を貸して払えなくなると
土地を取上げ小作人にして、そこから搾取するような
商売をしてたからといって、それがあこぎだとか
批評することは彼には出来まいと思います。
何故なら彼はそのアコギな金で生活出来たのですから・・。


しかし、このような環境を知らない現代の若い女性達は、
太宰の小説はとても素晴らしいと思う人が多いようです。
まぁ それもいいか・・・・。