立夫文庫のブログ

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☆大八洲発祥から神々の光臨に始まるお話を解り易く読めます。

    題 名:眠れないほど面白い古事記
    整理番号:C-18             
            ジャンル:歴史
      読んだ時:平成27年 77才   
            著 者:由良弥生
            出版社:三笠書房


 内容・感想:
古の書物は読みにくく、いきなり読まんと挑戦しても、
なかなか理解しにくいものです。
だから、先ず、このような手軽な書物から入門するのも
一手かと思います。


丁度、赤ちゃんに母親が噛んでやわらかくしてから、
食べ物を与えるように・・・。
そして、この離乳食を美味しく食べ終わったら、
C-19「古事記神話の謎を解く」を読むといいです。


古事記は、まだ文字がなかった日本の昔、
口伝にて代々「語り部」なる人が引き継いで来た物を、
天武天皇の発案で、文字にしたものと言われています。


内容的には、現代に至る天皇家の系譜と、それにまつわる
エピソードが主流ですが、何せ、それまで口承のため、
間違って伝わったものもあるでしょうし、
天皇家にとって具合の悪いことは割愛されたりしたでしょうし、
まあ、旧約聖書と同程度ぐらいの感覚で把握すれば
いいかなと思います。


それにつけても、昔の天皇はある意味自由奔放で
よかったなぁと思うのは、歩いてて、ちょっと美しい
女性に会うとすぐさま、「まぐわい」をしてしまいます。
一穴主義の今上天皇から見ると、羨ましい限りだと
思います。
・・・失礼しました、下衆の勘繰りでした。


古事記は、大きく上巻、中巻、下巻に分かれています。
先ず、上巻は、天地創造、天孫降臨、
世の中がようやく天と地に分かれ、高天原に神々が立ち現れて、
地を造りイザナキ、イザナミを造った事などから
始まっております。
丁度、旧約聖書のアダムとイウ゛みたいに・・・・。


この男女の神は、いろいろな物を造りまくりました。
大八島(おおやしま)と云う日本の国を造り、
アマテラス大御神なども造りました。
最後に造ったのが、スサノオの命で、これはチョット
失敗作だったようでした。


荒ぶるスサノオに、姉のアマテラスは業を煮やして遂に、
天の岩屋戸に隠れてしまいました。
そのため、世の中が真っ暗になり、
困った八百万(やおよろず)の神々は、岩屋戸の前で
アメノウズメノ命(みこと)に裸踊りをさせました。


鳴り物入りで賑やかな様子に、アマテラスが
チョット岩戸を開けて見たその刹那、
強力のタヂカラオの神がグイと戸を開けて、
彼女を外に出してしまいました。


やっと世の中、明るくなり、
目出度し、目出度しと云うわけでした。


その他にも、現代に伝わるお話として、スサノオの命の、
八つの頭を持つヤマタのオロチ(八俣大蛇)退治のお話や、
オオナムチの神が、皮を剥かれて赤裸で泣いている兎ちゃんを
助けてあげたお話。
彼はその後、オオクニヌシの命(大国主神)となって、
出雲を中心に栄える国を造り上げました・・・
等々、多々あります。


しかし、地上(葦原の中つ国)の繁栄を見ていた天照大御神は、
地上は本来天つ神のもの故、取り返さねばならない。
・ ・・と云う事で、建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)
を遣わせて、奪還を成功させました。


早速、その地の支配者に孫のニニギノ命を降臨させました。
この時、地上の案内役を務めたのが、赤坂の日枝神社にも
現在控えている猿田毘古(サルタヒコ)です。
(本来は伊勢神宮に祭られている神です)
サルタヒコは、今、正に、天つ国の゛ニニキが
降臨するに当たっての、そのナビゲーターだった訳です。


天照大御神→アメノオシホミミ→ホノニニギ→ホオリ
→ウガヤフキアエズと続き、
このウガヤとタマヨリ毘売(ひめ)との間に四男として生れた、
カムヤマトイワレビコ=神武天皇の誕生迄で、
上巻はお仕舞いです。
神武天皇は天照大御神から数えて、五世代目の孫となります。


それまで、日向の国(宮崎県)の高千穂の峰で天下を治めて
いたのですが、端っこ過ぎると云う事で、いよいよこれから
神武天皇の東征が始まるところが中巻です。


天上から遣わされた、八咫烏(やたがらす)のナビゲートのもと、
ある国は従順をしめし、ある国は抗って征伐されながら
進んで行きます。


あらかたの敵を滅ぼした神武天皇も、やがて死期を迎えます。


♪ 倭は 国のまほろば 
たたなづく 青垣山  
隠れる(こもれる)倭し うるはし ♪


その後、天皇の系図は次々と進み、十五代応神天皇で
中巻は終わってます。


十六代天皇=仁徳天皇からは、下巻です。
私も若い頃、大阪に滞在してた時、堺の在の仁徳天皇御陵に
行って見た事があります。
その壮大さ、そしてそれは即ち、権力の大きさであることに
感じ入りました。


この頃になると、日本も所謂、有史時代に入って来ます。
権力争いに熾烈を極めた経緯が、読んでいて伝わってきます。
仏教が大陸から伝来し、飛鳥文化が第三十三代推古天皇の世に
花開いた辺りで、古事記は終わっております。