立夫文庫のブログ

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☆生き馬の目を抜くアメリカの実業界で活躍する美人のメレデスとイケメンのマット。ブルーミンデールの描写にも注目です。

            題 名:パラダイスを君に 上下巻
   整理番号:D-15              
            ジャンル:外国文学
      読んだ時:平成17年 67才   
            著 者:ジュディス・マクノート/訳者:瓜生知寿子
            出版社:ソニーマガジンズ/ヴィレッジブックス


 内容・感想: 
著者のジュディス・マクノートとは、男性か、女性か?
著者紹介欄にも、どこにも書かれていません。
でも、恐らく女性だと思います。
何故なら、Judithと言うファーストネームは女性でしょうし、
それに文中の描写の細やかさ、特にヒロインのメレデスの
コスチュームの描写など、流石だと思ったからです。


若くて美人の、資産家の箱入り娘メレデスと、
無産者階級から這い上がって一大実業家になつたイケメンの
マットが、互いに絡み合いながら展開するストーリーは、
現代のアメリカ社会の一部を象徴しているのだと言う気がします。


お二人の性描写も、なかなかのリアリティーさに、
思わず興奮させられますが、ちよっとおかしいと言うか、
はたしてアメリカの常識は、ここまで来ているのかと
疑問に思うのが、以下の出来事です。


ハイソサエティーのメレデスが、パーティー会場で、
初対面のプロレタリアートのマットとの間に、
その夜いきなり性交渉を持ってしまうと言う点。
いくら強烈に一目惚れしたとは云え、びつくりです。


今年新館をオープンした東京のデパート三越は、
その昔、企業発展のためアメリカの同業界トップの
ブルーミンデールのノーハウを見習ったということですが、
メレデスのデパートはどうもこのブルーミンデールの
発展期をモデルにしてるように思われます。


次に、マットのやっている事業ですが、
はやい話“会社乗っ取り屋”です。
今年、日本でもニユースになりましたが、
ヒルズ族による、金にものを言わせての株式の買占め。
ライブドアーの堀江もん、楽天のミッキー、
村上ファンド等々が大いに物議を醸したものですが、
アメリカではもっと常識的に株式会社は
M&A、etc.されているようです。
マットは正に、卓越したピンピン頭と、金に物を言わせて、
次から次へと会社を買収し、天下を取った気分になって行きます。


いずれにしても、世の中の仕組みと、法律等々を駆使しての
ジュディスの奇想天外の物語の展開には、
予測の範囲を越えた素晴らしさを感じながら、
活字の上を飛ぶように読ましてもらいました。グレイト!