立夫文庫のブログ

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☆ 白雪姫・・シンデレラ・・いろんな童話が出てきて面白い。奇想天外なストーリーにすっかり溶け込む楽しさです。

題名:失われたものたちの本
整理番号:D-27     
ジャンル:外国文学
読み終えた時:令和 5 年 8 月 85才   
著者:ジョン コナリー
訳者: 田内志文
出版社:創元推理文庫


内容・感想:
ジョンはアイルランド出身の今55歳の作家。
この本はジブリの宮崎駿監督が推薦してますが、読んでみて成程と思いました。
シンデレラや白雪姫や不思議の国のアリスなどなど・・・・童話のお話を
面白おかしく作り替えて書かれています。
ですから、それら童話の知識を持った上で読むと尚更面白いと思います。


ディズニーのアニメで「アナと雪の女王」と云う人気のヒット作がありますが、
主役のラプンツェルのお話はグリム童話をベースにしてます。
原作では、ラプンツェルは魔法使いの老婆によって塔に閉じ込められている所に、
忍び込んだ王子と関係を持ち、それを知った魔法使いの老婆はラプンツェルの
長い髪を切ってしまい、王子を遠ざける・・・云々。となっております。
まあ、ディズニー映画では子供向けにアレンジした訳で、読者や鑑賞者の
興味を引き出す事では共通しており、また一興といったところだと思います。


あらすじ・・・
デイヴィットは愛する母親を12歳の時亡くし、悲しみのあまり幻想の世界に
導かれ、不思議の国のアリスみたいに、庭園の古い穴から別世界に行き、
色々な冒険に立ち向かい心も成長していきます。
赤ずきんの少女と狼の間に出来たリロイは狼どもを支配して国王を滅ぼそうと
しますが強いデイヴィットに阻まれます。


国王を傀儡する「ねじくれ男」は超人的ですが、精神的にも強くなった
デイヴィットにより、それすらもやっつけてしまいます。
そしてこちらの世界に戻ったデイヴィットは、嫌っていた継母や、
実父と継母との間に出来たジョージーにも融和します。


面白かったのは、白雪姫と七人の小人達と遭遇した時のお話です。
何と!! 白雪姫に毒リンゴを食べさせたのは継母じゃなくて、七人の
小人たちの計略で食べさせられたと云うのです。
実は白雪姫はどうしようもないデブのアバズレで、小人たちをこき使って
悪態つき放題だったので、消されようとしてたのでした。


付録で載ってるお話。
「シンデレラAバージョン」・・・以下、こんな調子のタッチです。
舞踏会でシンデレラを見初めて結婚した王子さまでしたが、一週間もすると
どうしようもなくなり、彼女の実家に行き「性格が悪いし、怠け者だし、
かぼちゃ臭くて、だめだ。」と追い返してしまいました。
捨てられたシンデレラはガラスの靴専門店を開業しました。
そして破産したのでした・・・