立夫文庫のブログ

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☆改めて夜空に目と心を向けて見ませんか!そして四次元の大いなる宇宙に想いを馳せて見ましょう!・・・たまには。

            題名:みんなで見ようガリレオの宇宙
            整理番号:F-05                 
            ジャンル:学術
      読んだ時:平成 8 年 58 才   
            著者:若松謙一 渡部潤一
            出版社:岩波ジュニア新書


内容:感想
初めてジェット旅客機に乗ってテイクオフした時、
上空から見た模型のような地上の光景、
ミニチュアカーみたいな小さな自動車が
道路を走っているのを見て、僕は心の視野が
限りなく広がる気分になった事を覚えています。
世界はなんと広いことかと・・・


16~17世紀に生きたガリレオは、
当時初めて開発された望遠鏡を駆使して、
天体のあちこちを眺め、想像力を逞ましくして、
宇宙がいかに広がっているかを確信していきました。


僕たちが立っているこの大地が、鞠のように丸くて、
しかも太陽の周りを回っているのだ・・・
と言ったばっかしに、牢屋に入れちまうんですから、
バチカンの大司教もチイセーチイセー。


でも当時の日本はと云うと、信長や秀吉が、
地球からみたらちっぽけな領土を奪い合っていた、
いわゆる戦国時代なのですから、大司教だけを
責められません。


つい最近になってバチカンの法王が自らの過ちを
正式に認め、ガリレオの偉大さを讃える演説をした
と言うんですから、スゴーク恐ろしい。


現代、未来に於いては、非常識的なことを云っても、
罰せられるようなことはありますまいが、
でも、もしかして気違い扱いされたり、馬鹿にされたり、
・ ・・うっかりするとガリレオの時代の二の舞に
ならぬよう氣を付けましょう。


ところで現代の天文学では、宇宙の大きさを
どこまで解明してきているかと云いますと、・・・
我が太陽系が属する銀河宇宙ぐらいは現代では
誰でも知っていますけど、
この銀河=Galaxy・・我々はミルキーウェイと
云ってますが、長い方の端から端までが何と
10万光年もあると云うことです。
そしてこの中にオリオン大星雲、大小マゼラン星雲
などの星々の集団が存在してわけです。


わがギャラクシーの外に目を向けますと、
一番近いギャラクシーはアンドロメダ大星雲で
230万光年の彼方に位置してます。


そのほかに猟犬座M51銀河、ソンブレロM104銀河
等々がありまして、これらをひっくるめて銀河系銀河団を
成しております。


そしてこのわが銀河系銀河団の外を見やりますと、
4億6000万光年の彼方にヘラクレス座銀河団はじめ、
たくさんの銀河団が散らばっていると云う訳です。
なんとも気の遠くなるようなスケールです。


しかも、さらに驚くべきことに、宇宙は時時刻刻、
外に向かって膨張を続けているというのです。
最近スチーブン博士などにより言われている、
所謂ビッグバーンです。


我々が「アーきれい!」と夜空を仰いでいる、
目では見えない遠い彼方のあちこちの無数の空間に、
限りなく神秘なることが隠されているのです。


しかしこの東京の濁った空からは、
そのベールが邪魔になって、チイセー目先の物しか見えず、
現代人は余計に想像力の乏しい環境に置かれてしまって
いるのです。


この本はそんな現代人に、もっと広い視野に目を向けるよう
優しく啓蒙してくれている書です。
郊外に出て、天体望遠鏡で宇宙の一端を観ること、
そして限りなく広い心地になって 、想像力を逞しく
すること。
人間の存在のスケールを実感で感じること・・・
それらは本当に素晴らしいことだと思うのです。