立夫文庫のブログ

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☆若い孫氏の述懐は、今から18年前の物です。そして今や彼は超BIGな存在です。

   題 名:孫 正義大いに語る
   整理番号:E-16                   
            ジャンル:人  伝
      読んだ時:平成12年 62才   
            著 者:竹村健一
            出版社:PHP研究所


 内容・感想:
この書は竹村氏と孫(そん)氏の対談形式で書かれてます。
孫という男は現在(平成12年)40代の若さで、日本発、
世界に向かって大いに羽ばたいた、今や話題の渦中の人と
なってます。


何年か前、僕のビジネステリトリーの水天宮の目の前に、
ちょっと気の利いたビルが出来ました。
看板を見たら、ソフトバンクとありました。
まあ、いま羽振りのいい金貸屋かなんかが、
またこんな所にビルをおっ建てやがったな・・と思ってました。
それが何と彼の会社であったので驚きました。


孫の、企業に対する価値判断の基準は、その社の株式の
時価総額です。
例えば、日本の上場企業全部の株式時価総額が、
現在400兆円の大台を回復したのですが、
この数字はアメリカのマイクロソフト社を始めとする
パソコン業界全体の株式時価総額と現在同じなのだそうです。


しかもアメリカのそれは、10年前は僅か5兆円でありました。
実に、この10年間で80倍に成長したのです。
だからアメリカは10年ほど前に目覚めて、
シリコンバレーをトルネードの中心とする、
ものすごい旋風が巻き起こり、再び世界の冠たる地位に
返り咲いたと云う訳です。
彼はこの趨勢を第三次産業革命と位置づけております。


第一次は…昔からの農業社会。
第二次は産業革命を契機とする、重工業社会。、
そして、今、正に濫觴期を迎えている、情報社会が
第三次産業革命だと主張してます。

本当にそうだろうか?・・・と私は思います。
作物を汗水流して育てたり、人が豊かに生活するのに必要な
鉱工業製品を造るのと違って、なにも産まないで
怠けていながら世渡り術だけうまくやってるようにしか
見えないものが、はたして長続きするのでしょうか。
時期が経てば解ることだと思います。


孫は、MVA=市場付加価値で会社の業績を判断する・・・
と云う主張があります。
彼は現在一般的に使われている、決算書を分析して
利益率などで会社を判断する方法は、
あたかもバックミラーを見て自動車を運転してる
ようだと言います。


さらに彼は口角沫を飛ばしてしゃべりまくります。
アメリカで時価総額がトップなのは無論マイクロソフト社で、
No.2はインテルですが、ナスダック市場でNo.3は
日本では知ってる人の少ない、シスコシステムズという会社で、
自分は10年前この会社がまだ赤字だった時から
先見性を持ってタッチしていて、それが今や
NTTを抜いてしまっている・・・と云います。
同社はインターネット関連の会社だったからだと云う訳です。


最近の社会、とりわけ経済界は、確かに大きくシステムが
変わりつつあります。
それはコンピューターがむくむくと発達し、
ディジタル化が急速に進む中で、世界が非常に身近になり、
地球の裏側で起こったことがタイムリーに伝わって来て、
それに対する反応が、即実行に移されるからです。


なんともはや、気の休まらない、油断の出来ない世の中が、
もうすぐ来る二十一世紀にエスカレートするのであろうと
思います。


何はともあれ、コンピューター関連、インターネット関連事業は、
この今だに続くわが国の長期不況の中で、
着実に繁栄の途を辿りつつあると思います。


そしてこれらに携わっている人は、ナスダックジャパンなどで
チャンスをより簡単にモノに出来る反面、社会淘汰も、
より激烈に一身に受ける世のトレンドとなっていくこと
でしょうと推測します。